3265人が本棚に入れています
本棚に追加
/2509ページ
――学校…行きたくないな……。
そう思ったのはいつぶりだろう。
朝から快晴の空とは裏腹に、夕斗の心は曇天だった。
気が重い。
金曜の夜、夕斗(ゆうと)は剣悟(けんご)と比古(ひこ)に霊感があることがばれてしまったのだ。
自分と同じように霊感のある比古はともかく、剣悟は、夕斗をどう思っただろう。
あの時気絶していた美玲(みれい)と渚(なぎさ)の記憶は宮原がいじって作り替え、それぞれの家に忍び込んでベッドの上に転がしてきた。
だから女子二人に心配はいらないが、問題はやはり剣悟で。
彼に白い目で見られることを想像し、夕斗はがくりとうなだれていた。
――あんなに、嫌いだったのにな。
最初のコメントを投稿しよう!