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昨日のあの人は誰なんだろう。 もう一度、心地良いあの声が聴きたい。 「どした―?董子(トウコ)今日いつも以上にボンヤリしてんね。」 「…一言、いつも以上に…ってやつ、いらないと思うんだよね。否定はせんけど。」 「…認めちゃダメじゃん。」 「事実だし…あ―眠い…」 そう言って、机に突っ伏す。 別に眠くなんてない。 ただ、この前の席の友人(知り合い程度だけれど)に話し掛けられて反応するのが億劫で。 暗に 話し掛けるな と見えないバリアを張っただけ。 中学以前からの友達はそれをわかっているし、授業の短い休憩に私を構いに来ることなんてない。 …ものの5分や10分、一人で過ごせないのだろうか。 群れてなければいけない理由なんてあるのだろうか。 もしあったとしても私にそれを求めないでほしい。 「ねぇ董子…董子?」 「…………」 「董子。」 「~~~…っ、どしたの。」 コイツ、KYか。 一昔前に流行ったよね。KY。 「やっと気がついた―…さっきから呼んでんのに返事ないけぇホンマに寝とんかと思った。」 ……………無視されてたことに気づいてないんですかそうですか。 つうか寝とると思ったんなら声掛けてくんなや。 ウッザ。 「え、マジで?ごめん聞こえてなかったわ…何か用事?」 な―んて、心ん中ではこんなこと考えてるんだよ―。 女子って恐い。 向こうもコッチのこと何て考えてるかなんてわかったもんじゃない。 「いや、特に用事はないけど…そういえば今日寒くない?昨日も寒かったけど今日は更にヤバイって…」 用事ないのかよ! 尚更話しかけてくんじゃねぇよ。 しかも天気の話… 近所のババァかよ。 「まぁね…でも暖房で暑いくらいだと思うけど。」 「そぉ―…?」 「あ、ほら、担任来たよ。」 此方の返答に不満げな友人(知り合い)を前に向かせ、さっと眼鏡を外した。 眼鏡を外す理由は後で説明する。 早くHRを終わらせてくれ。 掃除もないんだし…さっさと帰りたい。 「…じゃあ、終わろうか。」 担任の声に さようなら と返して(小学生か)散っていく。 例に漏れず、私は自分に関係のない話はスルーして早々に帰路についた。  
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