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大っ嫌いな担任。 話を聞きたくなくて…話を聞くために顔が視界に入っているのも嫌で、私はいつも眼鏡を外して話を聞く。 一番遠い…窓側一番後ろの席で良かった といつも思う。 今日は、黒板横の一段低い場所にスーツ(多分)を着た人が控えていた。 「昨日言ってた実習生に自己紹介してもらおうか。」 「はじめまして。季節外れですが、色々な事情があってこの時期に教育実習に来ました、神辺 凌(カンベ シノグ)です。短い間ですが、よろしくお願いします。」 昨日言ってたかなんて覚えてない。 多分スルーした話の中の一つだったんだろう。 あの人の声だった。 顔なんて全く見えない(見たことない)けど、それがかえって幸いしたのかもしれない。 声だけで、あの彼だと認識した。  
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