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HRが終わり、みんなが実習生を質問攻めしにいくのを、席でぼんやり見つめた。 そういえば…顔をきちんと見てない。 男子が イケメンっすね― なんて茶化していたけど…と思い、眼鏡をかけた。 …背が、高い。 しかもかなりカッコいい。 つってるけど大きな二重の目に綺麗で癖のない真っ直ぐな黒髪、足も長いし、スーツもちゃんと馴染んでる。 女子に囲まれて満更でもなさそうな笑顔で対応して…普通のよくある実習生の態度。 そりゃまだ22…いや、21?だし、17くらいの女子は守備範囲よねぇ… こんな人が、あの夜の。 教師になんてなりたいんだ。 向こうはアレが私だなんて判らないだろう。 言葉らしい言葉を発していないし、顔も見られてない。 …と、思う。 私は眼鏡を外し、首だけを下に向けて足を組み…寝る体勢に入った。 次は現代文だし、ノートなんてとらなくても大丈夫。 「きりつ、れい」 授業の始まりを、頭の隅で遠くに聞いていたら、後ろからトントンと肩を叩かれた。 チラリと後ろを見てすぐ前へ向き直った。 この人、国語の専門だったのか。 …あ、名前忘れた。  
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