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――何が起こったのだろう。
その言葉こそ、俺こと神谷亮(かみやりょう)の脳内を、ひたすら駆け巡っている思いそのものである。
今、俺の部屋には、変わった容姿をお持ちの二人がいる訳で。
一人は、腰まである蒼い髪の少女。もう一方は、さらりと長い黒髪の少女。
実はこの二人、近年稀に見る美少女だったりする訳だが、そのことは今は置いておこう。
俺には聞かねばならないことが山ほどあるからな。
「ふむ。小さい部屋だな……」
そう呟いたのは、正面テレビ前のソファーに、堂々と座っている蒼髪少女。
……いや。幼女か?
だが、錯覚してしまうのも無理はないだろう。なんせこの少女もどき。少女と呼ぶには背が小さすぎるのだ。
あまりに小さいので、座っているソファーが普段より大きく見えてしまっているし、羽織っているローブなんて、サイズが違いすぎてギリギリ頭が出てるぐらいだ。
そんな小さい少女だが、容姿に比べて内面はとてもふてぶてしいようで。
「大体、客人に対してお茶の一つもないのか? 貴様は。部屋が小さいから礼儀も知らんのか?」
半ば呆れ気味に、ため息を吐いている蒼髪少女。
部屋が小さいからって礼儀を知らない訳じゃない。俺だって最低限の礼儀は心得ているつもりだ。
そんな俺から率直な感想を一つだけ。
「礼儀を知らないのはあんた達の方じゃないか……?」
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