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そんな雄叫びに眉を寄せる、幼い俺と後ろにいた青森
そして、会場にいて個々に作業をしていた人達もまでが「なんだ、なんだ」と目を見開いてキョロキョロと周りを見渡していた
『――…光様、お声が少々…。』
『あぁ!ごめんよ青森』
『いえ…』
瞬時に青森が光に言葉を掛けると、我に帰った光が少し照れて謝る…。
そんな光景を見ていて、「あったかい…。」と思った
何も違いはない。
ただ、馬鹿で温かい親と子供と普通にありふれた光景が、デカクなった俺にとっては凄く懐かしく思えた
『ねぇー、光』
『んー?なんだい陽斗?』
『旭はぁー?』
光に抱き着いたままの体制で、顔を上に上げて光と目線を合わせて普通はいる筈の人を捜す
幼い俺からの質問に光はニッコリと笑いながら答えた
『旭はね、もうちょっとで来るよ』
『本当?』
『あぁ、本当だよ。だから陽斗もお着替えしてきな』
『わかった!お着替えしてくるっ』
『おー、そうかそうか』
ニシシシッ、と笑って
光から離れると幼い俺は後ろにいた青森の手を取って、入ってきた扉を再び開けて廊下へと出る
『ひかるぅー、待っててねぇー』
『おぉうー!』
そんな馬鹿気た会話をして、青森に手を引かれながら着替える為に部屋を移動した
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