紅蓮12

14/63
前へ
/645ページ
次へ
―――――……‥ 眼を開けたら、 そこは真っ白な世界で 何一つ、物も無くて、音も無くて とても、静かだった…。 「…何処だ、此処…」 周りを見渡しても 白 白 白 歩いても 白 白 白 此処が何処なのか 全く解らない…。 ただの真っ白い世界 白しかない世界 「一応、声は出せるみたいだな…」 自分の喉に手をあて あー、あー、あー、と声を出してみる 自分の体を見ても 変な所なんか何処にも無くて やっぱり、白い世界だけ 自分の身には異常はない 声だって出せるし 歩ける、眼だって見えている 違うと言ったら やはり、この白い世界だ 「何処なんだ、此処…」 はぁ…。と 溜息をつき、髪をグシャリと握った 「……?」 その時に解った 俺の体の変化を…。 俺の変化を確かめたくて、下を見たら やっぱり…。 「…髪が、紅い…;」 そう、俺の変化は 髪が紅い事 別に自毛だから、そんなに驚く事は無いが 今日は鬘じゃなく スプレーだった筈…。 水で濡らさない限り スプレーは落ちないんだが…。 、
/645ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4560人が本棚に入れています
本棚に追加