4560人が本棚に入れています
本棚に追加
そう尋ねると
5才の俺はニコリ、と笑いながら答えてくれた
「確かに、スプレーで黒くしてたけど、今いる此処は君の夢なんだよ だから本来の君の姿なんだよ」
と、なんとも5才児とは思えない程 丁寧に説明してくれた
…まぁ、俺なんだけどな;
「夢って事は、5才の俺も実物じゃないって事だよな」
「そうだよ、夢なんだもん」
「じゃあ、何で俺は5才の俺と話してるんだ?」
頭の上にハテナを浮かべながら、質問すれば5才の俺はニコリとまた笑い
「それは、君に思い出してもらう為」
そう言って
一歩後ろに下がると
「あっちはもぅ、思い出しているしね」
そう言い
また、一歩下がる
「確かに、君には辛い過去だけど でも、それでも思い出してもらわなくちゃいけないんだよ」
一歩一歩、徐々に後ろへ下がっていく5才の俺
俺はそんな幼い頃の自分が言っている意味が解らなくて、眉間に眉を寄せて問う
「過去ってなんだよ」
「君の思い出だよ」
「思い出?」
「そうだよ、君には全て思い出してもらわなくちゃっ」
「だから、何を?」
「…君が5才の時の思い出だよ」
そう言った
幼い頃の俺は凄く悲しそうな表情をしていた
そして
俺は正面から真っ白い光に飲み込まれた
、
最初のコメントを投稿しよう!