4560人が本棚に入れています
本棚に追加
…やっぱり、クゥーだ
クゥーとは俺が小さい頃に、家の敷地に迷い込んで来た真っ白い犬で
世話をしていたら
なんだか、懐かれて
それからは一緒に遊んでいた
クゥーという名前は
鳴き声がクゥーだからだ
俺が日本に行くまではいたんだが、今は何処にいるのかは解らない
『クゥー……』
目の前のクゥーが俺を見つめて鳴く
そんなクゥーを撫でようと手を伸ばそうとした時に何処からか声がした
『クゥー?どーこー?』
真っ白い犬を呼ぶ
高くてよく響く声
その声に反応したクゥーは尻尾をパタパタと左右に大きく揺らしながら、その声のした方へ勢い良く走っていった
クゥーに触ろうとした俺は、走って行くクゥーを見ながら伸ばしていた手を引っ込めた
手を引っ込めて
声のした方を見てみると
「……俺だ」
さっき真っ白い空間の中にいた、5才の俺が真っ白い犬の戯れていた
幼い俺はクゥーと走り回ったり、クゥーに顔を舐められていたりと何だか大変そうな感じで
『ぁはは、止めてよっ クゥー』
『ワァンッ!』
でも、凄く楽しそうに
笑って走り回ってた
そんな様子を遠くから見ていた俺は、地面についていた尻を上げて辺りを見渡す
、
最初のコメントを投稿しよう!