4560人が本棚に入れています
本棚に追加
考えても考えも
答えが出ないから取り敢えず、歩いてみる事にした
一歩踏み出せば、幼い頃に此処で走り回っていた記憶が蘇る
遠くにいる幼い俺はいつの間にか、クゥーと何処かへと消えていて俺一人しか居なくなってしまった
でも、なんだか
此処に俺一人という事が、何だか嬉しくて思わず頬が緩んだ
イギリスだから当たり前だが、煉瓦の建物に洋風のお屋敷
辺りを見渡せば
遠くの方にイギリスの首都を代表するビック・ベンが見える
良く、ビック・ベンを見ながらロンドンの街を歩いた事もあった
そんな事を思い出しながら、桜の木へと歩いて行く
側まで来れば、やっぱり大きく立派で木のいい匂いがする、そんな桜の木に掌で触れれば何とも言えない思いが込み上がる
この場所で遊んば事
色々学んだ事
笑い転げた事
一つ一つ思い出してく内に、何かが俺の記憶の中でガキッと引っ掛かった
まるで、大事な物を入れて鍵を閉めた抽出(ひきだし)みたいに…。
でも、その抽出の鍵が何処かへと消えてしまったようで、その抽出は鍵が掛かったままで中の物は取出せない
俺の中の記憶の抽出の一部が鍵を無くして、泣いていた
、
最初のコメントを投稿しよう!