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記憶の引っ掛かりに
眉間に皺を寄せる
抽出に入っている記憶が、出てきそうで来ない…。
そんな位置にいる
眉間に皺を寄せながらも、桜の木から離れる
そして
無くした記憶を取出す為に、煉瓦の方へと歩みを進めはじめる
「……っ」
記憶の抽出で引っ掛かりを見つけた瞬間、何だか良く解らないけど…。
思い出さなくちゃっ……、て感じた
心の奥底でそう感じた
でも、そう感じたと同時に
早く此処から逃げなくちゃって、思った
心の奥底で
思い出さなくちゃ…。
とも思って
逃げなくちゃ…。
とも思った
多分、この抽出に引っ掛かっている俺の記憶は少しややこしくて複雑で
思い出さなくちゃイケナイんだけど、俺にとって多分 最悪な記憶なんだと思う
…曖昧だけど
さっきまで何もない真っ白い世界にいた俺
そこで会った
幼い俺の姿
そして、その幼い俺が言った言葉
あっちは思い出してる――。
あっちって…?
人間?動物?それとも未確認生物とか?
あっちってなんだよ…。
幼い俺は肝心な所は教えてくれなかった
でも、一つだけは解る
この欠落した記憶が
例え、俺に最悪な記憶でも それなりの思い出さなくちゃイケナイ理由があるんだ
――――きっと。
、
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