紅蓮12

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┿┿┿┿┿ 嘘だと、信じたかった でも、現実はそうはいかなくて…。 今、起こっている事が本当だという事が胸に突き刺さる 「…今、何時…だっ…」 カレンダーの日付を見て、少々焦りながらも時計を見上げる カチカチと規則正しく、針を動かすその時計に刻まれている時間―――――。 ―――5時15分 その数字を見た途端 俺の中に少し亀裂が走った 目を見開き、その亀裂が何の亀裂かを確かめる いや…。 確かめる必要なんてないんだ、そんなもの この亀裂が何の亀裂かなんて、そんなわかりきっている この、亀裂は 俺の記憶の亀裂…。 ゴクリッ…。と生唾を飲み込み、窓の外を覗いた さっきまで真っ青だったイギリスの空は、今は既に茜色に染まっていて綺麗にグラデーションしていた …確か、あれは6時からだった ポツリポツリ、と8月20日の予定を思い出す この日は、 大事な日だったんだ 幼かったこの頃の俺には、あまりその大事な意味が解らなかったが。とても、大事な日だったんだ今日は…。 「Crownの次期後継者の発表の日…―――。」 8月20は、今の社長の後を継ぐ後継者の発表の日だったんだ。 、
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