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俺と対になる場所に立っている髑髏の姿は、まるで獲物を見つけた大蛇のようだ。真っ直ぐに俺を見据え、己の存在だけを最大に現している
「まぁ時間の問題だとは、思っていたけどね」
帽子を深く被り、口元しか見えない髑髏。その不気味な口元が舌なめずりをすれば、より一層不気味さが増す
髑髏の獲物は俺。そして俺の獲物は髑髏。互いを獲物と見立て、喰らい時を狙う大蛇と猫だ
けど俺は爬虫類に負けるなんて御免だ。特に蛇に負けるなんて絶対に嫌だね、嫌いだし
それにこの喧嘩は負けちゃイケナイんだ。髑髏が欲しがっているのは俺とCrown、そして希田という名前。あとの物は全て消し去るに違いない
…だけど、そんなのは俺がさせない
俺自身も会社も家も渡さないと決めたんだ。誰にも渡さない、俺と旭と光の大切な物は絶対に渡さない
それに俺がなにもせずにこんな所に一人でくるか。なんの為に修と翼に協力してもらったと思ってる
「お前が欲しいのは俺じゃない」
「なんでそんなこと、判るのかな?」
「さぁな。でもお前が欲しいのは、俺でもCrownでも希田でもない」
俺がいる鉄扉の反対にいる髑髏に言葉を投げる。大きく大きく、髑髏に聞こえるように叫ぶように言葉を投げ付ける
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