紅蓮15

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ヒュッと倉庫の中に風の音が響いた。その音に修が反応し、足止めしていた奴らを一気に蹴散らして俺の方を勢いよく見る。視界の中で強張った表情をした修を捕らえうっすらと笑い、修に「大丈夫」と眼だけで伝える 俺が伝えが判ったのか修の表情が少しだけ和らぐが、まだ強張った表情をしている。心配顔の修を見て、俺は脳の片隅で「全く、心配性だな」と呆れていた 「髑髏が欲しいのは…」 修を視界の隅に捕らえ、先程の言葉の続きを言う。だけど俺と対になる場所に髑髏はいない。そこから完全に姿を消し、倉庫の中からも姿を消した …だけど、消えてはいない 俺だけに向けられている殺気が消えていないのだから、その殺気を出している当の本人はまだ倉庫の中にいる。ただ、姿が見えないんだ 「それでぇ?俺が欲しいのはなーに?」 どこからか声が聞こえた。正確な位置まではわからないが、だいたいの位置はわかった。というか、普通に真っ正面のところにいるんだ 姿は見えないけど、確実に俺に向かって移動している。俺よりも前にいる修の髪が突風で揺れた。そのことで髑髏がそこを通ったことを俺に知らせた 、
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