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今にも喰い殺されそうな殺気を含む髑髏。しかし今はその殺気も怖くない。間近にいる髑髏の顔はフードからはみ出し、見えなかった眼が見える
その眼と視線をカチ合わせて、眼を見て話せば怖くない。だけど髑髏の眼には様々な感情が入り混じっている
憎悪。怒り。動揺。殺気。
そして、恐怖―――
「お前はなにを怖がっている?」
「俺を殺すことか?」
「俺という人物?」
「それとも、髑髏。お前自身か」
そう言葉を髑髏を突き刺した瞬間、俺の体が宙に浮く。俺が上に跳んだんじゃない。飛ばされたんだ
――――バァァアンッ!
はじめはゴッという鈍い音が響き、次にバァァアンという破裂音が響いた
「―――がッ…。」
肺が圧迫され酸素が吹き出す。少量の血とともに出た俺の情けない声
俺が言葉を髑髏に突き刺した瞬間に、髑髏は俺の腹目掛けて容赦ない一撃を入れた。そしてその反動で後ろへと飛んだ俺は、鉄扉へと叩きつけられる。自分の体に鈍い痛みが走るが、俺は痛みなんて関係なしに言葉を続ける
「…お前なら、わざわざこの時期に…。出てこなくて、よかった筈だ」
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