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今の衝撃で肋骨が何本か逝ったみたいだ。息を吸う度にヒュウヒュウと微かな音がする。いつもなら、一撃で骨が折れるなんてことはない
それだけ髑髏の一撃は重いということだ。だから塔陛も泰楽も、髑髏の一撃で病院送りになった
「ヒュッ…。なんで、この時期にきた」
―――ガッ
「なんで、っ俺が子供のころに…。来なかった」
――――ゴッ
「お前なら…。俺をどうにかするなんて、簡単なはずだ」
―――バキッ
俺が口を開くたびに、憎悪に染まった瞳で鋭い一撃を俺にあたえる。重く俺の体に鈍い音を響かせる。まだ数回しか攻撃をされていないのに、体の至るところがギシギシと歪んでいる。息をするのも、目線を上にあげるのも、言葉を声に出すのさえも痛い
意識が遠退きそうになるのも今回が初めてじゃない。口から血が出ているが、その流れを止めることも出来ない。修がこっちに向かって来てるが、髑髏の手下達に足止めをくらっている
「な、んで。そんなに哀しそう、なんだ…。」
たった数回だけ攻撃をされただけでも、意識が霞んできている。流石にこのまま意識を飛ばしたら危ないのは判っている。どうにかしないと駄目なのも…。だけどそれよりも髑髏の、哀しそうな顔が気になる
なんで…。
「…泣いてんだよ」
「なぁ…。恭」
、
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