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俺の頭上で動揺した顔をして、「違う」と何度も呟く髑髏。けどその「違う」という言葉が更に髑髏を追い詰めはじめる
「俺に水をかけた3人。あの3人はお前の家と関係が続いている」
「俺と修とかで潰した朝露。あれもお前の家から銃などを買っていた」
俺が一つなにかを言う度に髑髏がビクリと肩を揺らす。その震えは真実だって言っているもんで、もう髑髏の正体は完全にバレた
全てが髑髏の計画だった
俺が路地で朝露と遭遇したのも、学園で3人に水をかけられたのも、その3人が火事を起こすのも
全部が髑髏の仕業
その事には全部つじつまが合う。髑髏が現れた時期、俺の過去のこと、家のこと
…気づかなかった俺も俺だ
けど、気づくのが遅いおかげで判ったものもある。忘れてた記憶も戻ったし、俺がなにをしなくちゃいけないのも
殴られ蹴られた体は呼吸をする度に痛みを起こす。だけど、その体に鞭を打って体を動かしていく
俺の頭上で動揺している髑髏に向かって、右腕を必死に動かす。意識も朦朧としてきて、限界が近い。腕を上に真っ直ぐ伸ばして、頭上にいる髑髏に向けた
そして息を一つ吐き、口を開ける。ただ一言だけ言うために
「―――恭」
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