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突然事務所に来た二人に、みんなが驚いている。事務所で今最も売れてる真人が、連絡もなしにきたのだから。
「どうしたんですか?突然…」
「社長に用事だ。車頼む」
事務所の前に止めた車の鍵を、近くにいた社員に渡し、小崎の腕を掴みながら社長室を目指す。
コンコンとノックをすると、中から声が聞こえてきた。
「はい」
居ることを確認すると、返事もせず扉を開けた。
「………仕事は?」
「小崎の車が襲われた」
まだ中に入っていない小崎は、会話が聞こえないようだが
「俺の花ちゃんが?!」
革の社長室特有の革の椅子から飛び降り、真人を押しのけて、両手で小崎の顔を挟み覗く。
「大丈夫?怪我は?どこか痛くない?眼鏡はどうしたの?」
「とりあえず大丈夫です。社長離れて下さい。」
「ホントに?本当に大丈夫?」
姪っ子を溺愛する叔父さんに、思わず真人も呆れ顔。
「俺の花ちゃんにそんな事したの誰だ?殺してやる」
「それの話しをしにきたんですけど?誰かさんが興奮して聞いてないんですよ?それに私は社長のモノでは有りません」
小崎の嫌みに、口が歪める社長。
「俺のマンションの前に、いつも通り車を止めてたら、20前後の男達3か4人ぐらいが、コイツの車を蹴っていた。それを止めようとしたコイツの眼鏡が、踏まれて割れたって所です」
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