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―コンコン
「はい」
大きな扉の前でノックをすると、中から声が聞こえてきた。
「失礼します…」
と、声をかけ真人が中に入った。すると―…
「おぉ~!!真人か!!良く来たな」
見るからに若いはずなのに、発する言葉は完全にじじくさい。
「あ…はい…」
内心は、自分が呼んだクセにと思っているが、相手が相手なので口を閉ざした。
「そう言えば小崎は?」
※小崎とは、真人のマネージャーである。
「…何か用事があるって社長に伝えたって言ってましたけど?」
「あっ!!そうだったか。アッハハハハ……」
「ハハハ…」
社長の笑いに苦笑いの真人。
「海外の映画の評判も上々で、またオファーがきてるぞ」
「ありがとうございます」
「で本題に入るのだが近々真人のコンサートをしようと思って…」
「えっ!!本当ですか?」
「勿論!!曲も結構出したし、そろそろそんな時期かと思ってね」
「いいんですか?」
「…あぁ。期待の新人だから」
「ありがとうございます!!」
「この話しは、また今度詳しく話そう。」
「はい!!それじゃ…」
「あっそれと…小崎に近々一人で事務所に来るように伝えてくれるかな?」
「…はい」
「じゃあ真人。頑張ってくれよ」
満面の笑みで見送る社長に、何故か後ろめたい気持ちが出てくる真人であった。
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