トップアイドルとは?

5/6
前へ
/34ページ
次へ
―コンコン 「はい」 大きな扉の前でノックをすると、中から声が聞こえてきた。 「失礼します…」 と、声をかけ真人が中に入った。すると―… 「おぉ~!!真人か!!良く来たな」 見るからに若いはずなのに、発する言葉は完全にじじくさい。 「あ…はい…」 内心は、自分が呼んだクセにと思っているが、相手が相手なので口を閉ざした。 「そう言えば小崎は?」 ※小崎とは、真人のマネージャーである。 「…何か用事があるって社長に伝えたって言ってましたけど?」 「あっ!!そうだったか。アッハハハハ……」 「ハハハ…」 社長の笑いに苦笑いの真人。 「海外の映画の評判も上々で、またオファーがきてるぞ」 「ありがとうございます」 「で本題に入るのだが近々真人のコンサートをしようと思って…」 「えっ!!本当ですか?」 「勿論!!曲も結構出したし、そろそろそんな時期かと思ってね」 「いいんですか?」 「…あぁ。期待の新人だから」 「ありがとうございます!!」 「この話しは、また今度詳しく話そう。」 「はい!!それじゃ…」 「あっそれと…小崎に近々一人で事務所に来るように伝えてくれるかな?」 「…はい」 「じゃあ真人。頑張ってくれよ」 満面の笑みで見送る社長に、何故か後ろめたい気持ちが出てくる真人であった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加