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「ごめん、夕映。言って無かったけどさ…。」 あたしが重い口を開き、あの冬の終わりの「決意」について話そうとした時。 顔を上げると、彼の姿を捕らえてしまった。 少し癖のあるフォーム、春の終わりの、暖かな空気を切り裂いて、彼が走っていた。 遠目でも、視線を離すことの出来ない、真剣な横顔。 「…と、真琴!」 ふいに夕映の声がして、ハッと我に帰った。 梓くんは、ちょうど走り終えて、グラウンドに仰向けに倒れ込んだ所だった。
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