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何処に居るのか分からないが、少し私から遠い位置に居るのか、大声で言う。
数秒後、誰かが私の隣に降り立つ音が聞こえた。
「こんなに状態異常にされて…少しは抵抗したらよかったのに。」
何者か知らない、少年の声の持ち主は私の額にそっと触れた。
すると、視界が晴れ、身体も動くようになったではないか。
私の目の前にいる、私を自由にしてくれた少年は、白髪の下の金の瞳を細めて微笑みを浮かべて、立てるかい?と手を差し延べた。
「さて…よくも僕の大切な人を殺そうとしてくれたね。
そんな悪餓鬼にはお仕置きしないとね………!!」
少年は、立ち上がろうとした私を手で制しながら船長に言い放つ。
先刻までとは違って、船長も何処か怯えている雰囲気がある。
彼が言っていた、『あいつ』とは、この少年の事なのだろうか。
それにしても、何故だろう。
この少年からは懐かしさを感じる。
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