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「一々強がってんじゃねぇよ、痛いなら痛いって言え」
呆れた表情で三橋の後頭部を軽く撫でた
うぉ、やっぱりタンコブできてんじゃねぇか…;
「ぅ~…っ、…ゴ……、メンなさ…っい」
「謝るくらいなら強がんな、ったく…篠岡にアイシング借りてくっから…そだ。」
俺はジャージのポケットからハンカチを取り出し、洗面所の水でハンカチを濡らし三橋に渡した
「直ぐ戻ってくるから、とりあえずそれで冷やしとけよ?」
「うぇっ?!ぁっ!…で、も……、これっ」
「冷・や・し・と・けっ!」
軽く睨みを聞かせ有無を言わせぬ言い方で三橋を見る
三橋は怯えながらもオレのハンカチを後頭部に当てた
それを見たオレは「よしっ」と頷き篠岡にアイシングを借りに台所へと向かって小走りに走り出した
「お、阿部お前何処行ってたんだよ?」
台所で泉に話しかけられめんどくさそうな表情浮かべてしまった
「ぁ~…三橋が洗面所で顔洗っててさ、俺が声かけたら蛇口んトコで後頭部強打しやがって…タンコブできたみてぇだから篠岡にアイシング借りに来たんだよ。」
ため息をつきながら説明するとその場に居る人間全員大爆笑した
「三橋らしい!」「マンガかよっ」だの言いたい放題だ
すると篠岡にぽんぽんと肩を叩かれ「はい、アイシング!」とアイシングを受け取り「さんきゅ」と小さく礼を言うと三橋の元に戻る
「あ、俺も行く。」とさっきまで笑っていた泉もついてきた
「お~、三橋お前大丈夫?」
三橋が視界に入ると泉は駆け寄り座り込み後頭部をハンカチで抑える三橋の前にしゃがみながら訪ねていた
「だ、い…じょ…ぶだよっ」
どぎまぎしながらも答えた三橋に泉は何処と無く安心した表情を浮かべた
泉は何気に面倒見がいいよな、三橋と同じクラスみたいだし
「ほら、アイシング持って来たからそのハンカチにクルンであてとけ」
三橋の手からヒョイとハンカチを取るとアイシングをハンカチでくるんで三橋に手渡す
その光景を見た泉が
「……阿部って意外と面倒見いいよなぁ」
「は?そうか?俺は泉のが面倒見いいと思うけど」
「俺は、三橋と田島が弟にしか見えねぇからなぁ」
はぁ、ともう一人の弟(田島)を思い出しながらため息をついていた
そういや田島も同じクラスか……大変だな泉。
すると
「おーい、飯ぃ!」
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