ありがとう

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『お前の捨てた1番っ、オレに拾えっつうのかよ…!』 『お前…一人でさみしくねーのかよ!』 今日、俺達は群馬の三星学園の野球部と練習試合をした。 三橋を本物のエースにする為 三星の野球部への因縁を断ち切る為 結果は3-4で俺達の勝利 「初陣にしてはいい試合だったよなぁ、俺久々の試合だったけど全然緊張とかなかったよ。」 「だな、1年だけのチームって言っても結構まとまってたし。」 「あぁ…俺としては、あのクソレがエラーさえしなけりゃ最高だったんだがな…」 「あはは、あの時の阿部の顔凄い形相だったもんねっ」 「それ…水谷には言うなよな、阿部…;」 タオルを干しながら栄口、花井と俺は今日の試合の事を話していた パンッ 「(できた――と、三橋……?)」 タオルを干し終え、ふと後ろを見ると布団部屋で一人俯いている三橋が目に入った ……マメでもつぶしたか? 「何やってんだ?」 後ろから三橋に声をかける グラリッ 「!わっ、ちょっ!;」 三橋の身体が倒れこんでしまい思わず声をあげると、それを聞いた花井と栄口が顔を覗かせてきた 「何、どした?」 「何何?三橋がどうかしたの?」 「あ、や…なんか」 「寝ちゃった?」 俺が言葉に詰まっていると監督がヒョイっと顔を出して訪ねてきた、 こうなるって監督はわかってたのか?… 「あの……寝かせといてもいいスか、こいつ…この頃眠れなかったみたいで」 俺がそう訪ねると監督はニコやかに笑い布団に寝かせるように指示を受けて布団の準備をする横で三橋は全く起きない事に俺も栄口と花井は珍しいモノを見る目で見ていた。 本当に起きねぇな…… 「この安心は、阿部君があげたんだよ。」 は? 「阿部君が三橋君に信頼されたって事 捕手が投手につくした分を投手は信頼で返すのよね 信頼されるって、いいもんでしょ? 」 さっ!最後の晩御飯だ!肉仕入れに行くよー!と、監督が声を上げながら居間の方へ歩いて行き、 俺は三橋に視線を向けていた 俺からの一方通行じゃないんだな そう思いながら俺は三橋の横に腰を下ろして三橋の寝顔を見つめていた 入部して来た時はあんなにビクビクしてやがったくせに 試合になると全く別人で 投げる事が大好きな野球馬鹿
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