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すると
‐ガラッ‐
教室の扉が開いた音が聞こえたと思ったら
「きゃあぁぁあぁぁ!!!」
黄色い女の子達の声が直ぐに聞こえた。
何事かと思って扉を見ると、稜くんがゆっくりこっちに向かって来ていた。
「稜くん!!」
「唯、今日ごめんな」
「ううん。大丈夫だよ。それより、どうしたの?」
そう言った瞬間、稜くんがよろめいてあたしに寄りかかった。
‐ドキッ‐
心臓が鳴る。
あれ?
稜くんの体、熱い?
不思議に思ったあたしは、稜くんのオデコに手をあてた。
「稜くん、熱ある……」
「えぇ!?」
「大丈夫なの!?有沢くん!!」
舜くんと芽依が驚いて稜くんに近寄る。
稜くんは苦しそうにあたしから離れた。
「大丈夫……」
「大丈夫って、稜くん……。凄くつらそうなのに……」
そう言った瞬間
‐ガタガタ‐
稜くんが崩れ落ちた。
まるでスローモーションを見てるように、あたしには感じた。
舜くんが慌てて稜くんを担いだ。
「ゆーちん!!ザキちゃん!!俺、とりあえず稜を保健室まで連れて行ってくる!!」
「お願い!!葉月くん!!」
芽依の声が、遠く感じる。
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