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びっくりした。
舜くんが来なかったらあたし、稜くんとキスしてた……。
あたしは自分の口を触った。
だんだん赤くなる顔。
どうしよう。
まだドキドキいってる。
あたしは立ち止まって顔を押さえた。
その時
「唯!!」
稜くんの声が聞こえたと思ったら、あたしは後ろから抱きしめられていた。
この香水……。
あたしは回された腕を掴んだ。
「稜くん?」
「ごめん。怖かっただろ?あんなピアスバリバリのヤンキーが目の前に来て」
稜くんが抱きしめる力を強くした。
あたしは稜くんを振り返った。
「なんか稜くん、謝ってばっかだね」
あたしは小さく笑った。
「大丈夫だよ。全然怖くない。だって、稜くんの友達だもん。稜くんの友達って事は、きっと良い人だから。
いきなり目の前に綺麗な顔が出てきたから、ちょっとびっくりしただけだよ。だから、気にしないで」
あたしはそう言って微笑んだ。
稜くんがあたしの顔に手を伸ばす。
あたしは稜くんの顔を首を傾げながら見た。
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