山崎 芽依 (やまざき めい)

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何とか無事に学校に着いた……。 あたしは椅子に座ってため息をつく。 それから、机に伏せた。 もうダメ……。 もう走りたくない……。 そんな事を思いながら顔を上げると、目の前に朝見た綺麗な顔があった。 「ひぃっ!!!?」 思わず飛び起きる。 なななな何!? いつから見てたの、この人!? あたしはバクバクいう心臓を押さえながら、舜くんを見た。 「ねえ」 「はっはい!?」 「君って、稜の何なの?」 「え!?」 あたしは目をパチクリさせて舜くんを見た。 何なのって……。 彼女です!! なんて言えるワケないー!!! 内心焦りながら、あたしは言葉を探した。 そして出てきた言葉が 「あなたこそ!!」 何言っちゃってるの あたし!? 舜くんは稜くんの友達だって、見てれば分かるだろ!! もうヤダ!! 穴があるなら入りたい!! あたしが黙っていると、舜くんが「うん」と言って笑った。 「それもそっか」 「え?」 「俺が何者か分からないのに、自分の事言えないよね」 そう言って舜くんがあたしに向かって敬礼した。 「俺は葉月 舜(はづき しゅん)。稜とは小学校からの親友」 .
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