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稜くんの親友さんだったんだ。
あたしは何となく舜くんにつられて敬礼した。
「あたしは吉岡唯です。稜くんとは、その、仲良くさせていただいてまして……」
「ノンノン!!ダメだよ、ゆーちん!!」
「ゆーちん?」
「君のあだ名!!ていうか、硬すぎでしょ!?」
「はぁ、硬い……」
「そう!!いいかい!?ゆーちん二等兵!!
ゆーちんと俺は同じ年!!敬語なんていらない!!もう友達でしょ!?」
友達……。
あたしは立ち上がって舜くんに顔を近づけた。
「本当!?」
「ゆーちん?」
「本当に友達になってくれるの!?」
あたしの言葉に一瞬キョトンとした舜くんが、いきなり笑い出した。
「あははは!!ゆーちん必死すぎ!!ていうか、当たり前じゃん!!俺、ゆーちんの事気に入った!!」
あたしは笑い続ける舜くんと一緒に笑った。
その時
‐グイッ‐
「ふやっ!?」
あたしは誰かに抱きしめられた。
この安心感……
「稜くん!?」
「おっ!!オハヨー、稜!!稜にしては珍しいな!!遅刻ギリギリなんて!!」
呑気な声を出す舜くんを見て、稜くんがため息をついた。
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