山崎 芽依 (やまざき めい)

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そのまま稜くんに後ろから抱きしめられる。 痛い!! 痛いよ 稜くん!! 「そんな威嚇すんなよ、稜。俺はゆーちんと友達として付き合うから。 お前からゆーちん取る気なんてねぇよ」 そう言って舜くんがあたしに笑顔で「なっ」と言った。 なって言われても……。 「てめえは唯に近づくな。害虫以外の何者でもねぇ」 「それ、酷くね?」 稜くんがあたしの事抱きしめてくれるのは嬉しいんだけど…… 力が強すぎて死にそう…… あたしは稜くんの腕をバシバシ叩いた。 ようやく気づいてくれたのか、稜くんがあたしを離した。 痛かった……。 でも嬉しかった……。 そんな複雑な思いを胸に、稜くんの顔を見た。 しばらくすると、先生が入って来た。 あれ? 前の席の女の子、来てない……。 あたしは首を傾げた。 風邪とかひいたのかな? 「なんだ?山崎は来てないのか?」 先生が大きなため息をつく。 山崎? もしかして、あの女の子かな。 そう思いながら窓の外を見ると、あの女の子がいた。 校門の前で、40代後半ぐらいの男の人といる。 お父さんかな? それにしても、似てない……。 .
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