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男の人が車に乗って去ると、女の子がうつむいた。
あれ?
震えてる?
よく分からないけど、何か泣いてる気がして
無意識の内に足が動いていた。
「吉岡!?」
先生の声を無視して、あたしは女の子の所まで走る。
女の子の所に着いて、あたしは女の子の肩を叩いた。
「大丈夫!?」
「え?」
女の子が涙を流しながら振り向く。
あたしは息を整えながら膝に手をついた。
「あなた、昨日の……」
「そういえば、昨日も泣いてた……。何かあったの?」
「どうして、そんな事聞くの?あなたは友達でも何でもないのに」
「そうだよね。でも、なんだか気になるの。あなたが泣いてる理由」
そう言うと、女の子は制服の袖で涙を拭った。
「あなたには関係ない!!」
女の子がいきなり大声を出しても、別に驚かなかった。
なんでだろう。
もうこの子の涙を見たくない。
涙を止めてあげたい。
そう思うのは、あたしが女の子と友達になりたいからなのかな?
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