山崎 芽依 (やまざき めい)

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「あなたには分からない!! 親に嫌われて、人からも嫌われて、どうすればいいのか分からないあたしの気持ちなんて!!」 「嫌われる?」 あたしがそう言うと、女の子は涙を拭いながら頷いた。 「あたし、親に捨てられたの。お前なんかいらないって、家追い出されて……。 今、一人暮らししてるの」 「…………」 「アルバイトの面接に行っても不採用ばかりで、どうすればいいのか分からない。 きっと、あたしを必要とする人なんかいないんだって思った」 「うん……」 「そんな時、一人の男の人が近づいた来たの。 一緒に寝てくれたらお金あげるって」 「え!?」 「援交なら、あたしを必要としてる人がいる。そう思った。 でも、気づいたの。『こんな事してるあたしは、最高に汚いんじゃないか』って。 だから泣いてた!!こんな自分が汚くて嫌いだから!!」 あたしは泣いてる女の子に近づいた。 そして、女の子の涙を指で拭った。 「大丈夫」 「え?」 「大丈夫だよ」 「……どうして?どうしてあなたが泣くの?」 あたしの頬を涙が伝う。 それでも あたしは女の子の涙を拭った。 泣かないで そんな気持ちを込めて……。 .
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