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「あなたは汚くない」
「どうしてそんな事……!!」
「だって、こんなに綺麗な涙流してるんだもん」
あたしは女の子の顔に手を添えた。
「あなた、あたしが怖くないの?」
「どうして?」
「だって、今まであたしが近づくと女の子達は怖がって逃げていったから……。
それに、援交なんかしてたんだよ?気持ち悪くない?」
「全然。怖くもないし、気持ち悪くもない」
あたしは女の子に笑いかけた。
「確かに、あたしにはあなたの気持ちは分からない。だけど、あたしはあなたが好きだよ」
「え?」
「だからさ、あたしと友達になってくれないかな?」
手を女の子に差し出す。
「あたし、吉岡唯。あなたは?」
「山崎……芽依……」
女の子がゆっくり握手してきた。
あたしはその手をギュッと握った。
「ねぇ、芽依って呼んでいい?」
「いいよ、唯」
ようやく笑顔になった芽依。
あたしはホッと胸をなで下ろした。
「良かった、ちゃんと友達出来て」
「唯、友達いなかったの?」
「うん。あたし、暗くて地味だから」
そう言って笑うと、芽依があたしの前に来て肩を掴んだ。
「唯は可愛いよ!!」
「え?」
「有沢くんだって、唯の事可愛いって言ってるでしょ?」
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