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やっと友達が出来てウハウハな毎日を送っていたあたしに、悲劇が訪れました。
「38度7分。これじゃあ学校行けないわねぇ。
お母さん、学校に連絡してから仕事行くけど、1人でも大丈夫?」
お母さんが心配そうにあたしの顔を見る。
あたしは咳をしながら笑顔で頷いた。
お母さんが「なるべく早く帰って来るから」と言って仕事に行く。
あたしは咳き込みながら携帯を手に取った。
稜くんにメールを打つ。
『稜くんごめんなさい。今日は熱があって学校には行けません。だから、迎えに来なくていいよ。そのまま学校に行って下さい』
あたしはそう文章を打って携帯を放り投げた。
もうダメ……。
頭が痛くて何も考えたくない。
そう思ってため息をつくと、部屋のドアが勢いよく開いた。
‐バンッ‐
「唯!!大丈夫か!?」
「稜……くん?」
稜くんが汗だくで部屋に飛び込んで来た。
どうして稜くんがここに?
あたしは首を傾げて稜くんを見た。
すると稜くんが近づいてあたしの手を掴んだ。
「唯からメールきた時、ちょうど唯の家に着いた時だったんだ。しかもタイミング良く唯のお母さん出てきたし」
それで稜くんが家にいるんだ……。
あたしは稜くんに微笑んだ。
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