風邪

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稜くんがあたしのおでこに顔を近づけた。 うえ!? 稜くん!? あたしは思いっきり目をつむった。 すると、おでこに何かがあたった気がした。 目を開けると、稜くんの顔が目の前に。 「稜くん!?」 「めちゃくちゃ熱いな」 そう言って稜くんが離れた。 どうしよう。 心臓がドキドキドキドキ 止まらない。 あたしは胸を押さえてうつむいた。 「唯?」 稜くんがあたしの顔を覗き込む。 また!! 近いよ!! あたしは赤くなる顔をそのままに、稜くんを見つめていた。 稜くんはフッと笑ってあたしの頭に手を置いた。 「なんか食べたいもん、ある?」 「え?」 「コンビニで買ってきてやるよ。なんでも言ってみ?」 「あの……」 あたしは稜くんの顔を見れずに、目を泳がせた。 目の前で優しく笑う稜くん。 格好いい上に優しいんだもんなぁ、稜くんって……。 「何恥ずかしがってんの?もしかして唯、俺の事食べたいとか?」 「!!!!?ゲホッゲホッ!!」 稜くんの突拍子もない言葉に思わずむせる。 いきなり何言って……!! あたしは大きく深呼吸をした。 .
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