風邪

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「まぁ、唯の事食べたいのは俺なんだけど」 稜くん!? 稜くんが意地悪く笑ってる。 稜くんの意地悪ー!! あたしは涙目になりながら稜くんを睨んだ。 「唯、それ、マジで誘ってる?」 「!?」 あたしは首を左右に大きく振った。 「そんな顔されたら、理性飛びそうなんだけど。ていうか、唯、分かってる?」 「何が?」 首を傾げると、稜くんが耳に近寄って耳元で話し出した。 「今、俺と唯の2人しかいないんだって事」 稜くんと2人? あたしは目をパチクリさせて、思いっきり顔を赤くした。 本当だ!! こんな密室に2人っきり!! しかも、家族は誰もいない!! こんなの、食べてくださいって言ってるようなもんじゃん!! あたしは顔を両手で覆った。 「りょっ稜くん!!」 「唯、ちょっと1人で留守番しとけよ?」 「……え?」 あたしは両手を離して顔を上げた。 稜くんが立ち上がって、カバンを持っている。 留守番って…… 稜くん、どっか行くのかな? あたしは首を傾げて稜くんを見た。 稜くんは軽く笑って、部屋を出た。 部屋に、静かな雰囲気が漂う。 .
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