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「もうちょっと……」
「え?」
「もうちょっとだけ、待って……」
「唯?」
「元気になったら、稜くんの好きにしていい」
ほとんど無意識だった。
気づいたら口走ってて……。
でも、不思議と後悔してないの。
なんでだろう。
あたしも、稜くんの事が大切だからなのかな?
あたしは稜くんの目をジッと見た。
「唯」
「え?」
「俺、本気にするよ?」
首を傾げてあたしを見る稜くん。
あたしは小さく頷いた。
「うん、いいよ」
そう言うと、稜くんが少し赤くなった。
「やっばい……」
「え?」
「なんでもない。とりあえず、もう寝ろ」
そう言って稜くんがあたしの頭に手を置いた。
自然と閉じるあたしの目。
安心する。
稜くんが側にいると。
そのまま、あたしは深い眠りにおちていた。
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