11134人が本棚に入れています
本棚に追加
すっかり完治したあたしは、学校に着いて芽依に笑顔を向けた。
「唯!!もう大丈夫なの?」
「うん!!もう走り回っても平気だよ!!」
あたしは軽く走るふりをした。
すると、芽依がいきなりキョロキョロし出した。
「芽依?」
「あのさ、今日は有沢くんと一緒じゃないの?」
「今日、稜くん迎えに来なかったの。待ってても遅刻しそうだったから、先に来たんだ。ちゃんとメールはした」
「珍しいね。別々に登校なんて」
あたしは教室の扉を見た。
もしかしたら、先に学校に来てるかもって思ったんだけど……。
まだ来てないみたい。
舜くんと来るのかな?
しばらく扉を見つめていると、舜くんが勢い良く入ってきた。
そして、あたしと芽依のところに笑顔でやってきた。
「おはよー!!ゆーちん!!ザキちゃん!!」
「おはよー、葉月くん」
「おはよー。あれ?舜くん。稜くんと一緒じゃないの?」
舜くんは一人で教室に入ってきた。
稜くんと一緒だと思ったんだけど……。
「稜?ゆーちんと一緒に来たんじゃないの?」
「ううん。あたし、今日は一人で来た」
「え?じゃあ、今日は有沢くん休み?」
芽依の言葉に、舜くんと首を傾げる。
.
最初のコメントを投稿しよう!