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フラフラの稜くんを支えながら、なんとか稜くんの家に着いた。
稜くんが鍵を開けると、シンと静まり返った廊下が見える。
「お母さん、いないの?」
「今日は友達とテニスしに行ってる」
稜くんのご両親には何回か会っていて、あたしは何故か気に入られている。
稜くんが玄関に置いてあるメモを手に取った。
稜くんが渋い顔をする。
ちょっと覗き込むと
『お母さんがいないからって、唯ちゃん連れ込んで変な事しちゃダメだからね。唯ちゃんを汚したら、容赦しないから』
なんか、恐ろしい事が書いてあるんですけど。
見なかった事にしよう。
とりあえず、メモから目を逸らした。
靴を脱いで揃えていると、いきなり稜くんがあたしの手を引っ張る。
どんどん二階に連れて行かれて
稜くんの部屋に入った瞬間、思いっきり抱きしめられた。
その勢いで、あたしは稜くんに抱きしめられたまま床に座り込んだ。
何これ?
何これ!?
稜くん積極的すぎるよ!!
アワアワしてると、稜くんが至近距離で見つめてきた。
息ができない……。
あたし、今 どんな顔してるんだろう……。
あたしも稜くんを見つめながら顔を赤らめた。
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