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ぼくたちはいつもふたり
いっしょにボールをころがして
いっしょのうつわでごはんをたべて
いっしょに夜をすごす
でもぼくたちはママをしらない
気がついたらふたりだった
でもさみしくないよ
ぼくたちふたりずっといっしょだもん
それにときどきおねぇさんがあそんでくれるし
まいにちむこうにたくさん人がいるから
それでもくらくなると
ちょっとさみしいかな
だからぼくたちは
ふたりかさなって
ねむるんだ
あたたかいし
あんしんできるから
ずっといっしょにいようね
でもある日
おねぇさんが
ぼくをとなりのへやにつれてった
ぼくたち少しおおきくなったから
別々のへやに
なっちゃうんだ
でもだいじょうぶ
とうめいなかべだから
こーやってはしっこに行けば
ほら
かさなれないけど
すこしあたたかいよ
ね
おやすみ
ぼくたちずっといっしょだよ
あれ
めがさめたら
きみがいない
どこかなぁ
あ
いた
おねぇさんじゃない人に
だっこされてるよ
おーい
どうしたの
あれ
そのまま
みえなくなっちゃった
どうしたのかな
くらくなると
もどってくるかな
だいじょうぶかな
さみしくないかな
おなかすいてないかな
いちにちじゅう
そわそわしてたぼくに
おねぇさんが
おしえてくれた
あのこにあたらしいママができたんだよ
って
そっか
じゃあさみしくないね
よるもだいじょうぶだよね
たくさんボールもあるよね
でもぼくは
ちょっとさみしいな
もうあえないのかな
もういっしょボールころがせないのかな
もう
でもだいじょうぶ
おねぇさんが
いつかぼくにも
ママができるって
おしえてくれたし
いつも
ふたりでころがしてた
ボールを
ぼくにくれたんだ
きみのにおいがする
ボールを
だからぼく
ボールによりそって
ねむるんだ
そしたら
いつでも
きみといっしょみたいだよ
ね
ぼくたちずっといっしょだよ
ね
おやすみ
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