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服屋に入るが流石に女の子と同じ場所を回る訳にもいかず、輝と明は男性物が置いてあるフロアへ向かった。
「おっ!これとか明に似合いそうじゃん」
そう言って手にしたのは少し派手目のデザインのTシャツだった。
「ん?」
輝が言ってすぐに振り向いた明が手に持っていたのは背中に『彼女募集中』の文字がプリントされたTシャツと両足にデカく『我!一途な思い誰にも負けず』の文字が。
「誰が着るんだよ!てか何故そんな物が!」
「えっ?輝だけど?」
あっさりと言われてしまった。
「嫌だ!」
「なんでさ?」
普通なら嫌がる。
「そんなのお金の無駄だろ?」
「じゃあ俺が買ったら着るのか?」
「何故そうなる…」
輝が手に入れていたTシャツを元の位置へと戻ししつこく聞いてくる明を流していくが明は手から元に戻そうとしない。
かわりにニヤニヤしていた。
女の子の買い物は何故長いのか、フロアを回るに飽きた二人は入り口近くのベンチへ腰を下ろしていた。
「もう二時間になるぞ?」
携帯の時刻を何度も見ていた。
「でさ明…その袋何?」
「ふっ…秘密さ!」
格好をつけられた所で小梅が戻ってきた。
「長かったな?」
「ごめん!迷子の子を送っていたらね」
それにしても長すぎる…女の子はこんなものなのか?と思った矢先、小梅の一言で笑ってしまった。
「私も一緒に迷子だったんだけど」
舌出して首を傾げる。ドキッとしてしまったのは言うまでもなかった。
そんなやり取りをし外へ出ると明がすぐに何かを発見した。
「あれ?まだあの子いたの?」
指差す方向には工事現場の前、さっきと同じ場所に少女がまだいたのだ。
「何してんだろ?」
気になるがそこを後にし隣のスーパーへと入っていった。
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