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「あなた、これは一体どういう事なの?」
「そんなの俺が聞きたいよ。」
祐樹が寝た後、二人はリビングで話していた。
「俺達が帰ってきたのは嵐がやんだ後だぞ?
蝋燭なんて渡せる訳がないだろう…」
「じゃあ祐樹に蝋燭を渡した二人は一体誰なの?
しかも今は蝋燭は切らしているてっのに…」
「祐樹は部屋中をみたけど、誰もいなかったって言ってたしなー」
「泥棒かしら…?」
「こんな嵐の日に誰が泥棒に来るってんだ。」
「…」
しばらく沈黙が続く。
そして父親が口を開いた。
「でもこれはこれでいいんじゃないか?」
そう言うと祐樹が誰かに貰った真っ赤な蝋燭に火をつけた。
「世の中説明がつく事ばかりじゃつまらないだろう。」
蝋燭の赤い火は生き物の用に揺らめいていた。
赤くまがまがしく燃える蝋燭の炎を二人はしばらくの間見つめ続けていた。
END
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