蝋燭

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「ううう… お父さん、お母さん…」 祐樹は布団に潜ったまま、一人呟いていた。 外はすっかり暗くなり、夜と見間違える程だった。 嵐の如く風が吹き荒れ、雨は滝の用に降り注ぎ、海は荒れ狂っていた。 家はガタガタという音が響き、まるで見えない誰かが家を揺らしているようだった。 祐樹の恐怖はさらに高まる。         「早く止んでよ…」 祐樹は今にも泣きそうだった。 「そうだ、電気をつけよう。そうすれば少しはマシになるかも…」 祐樹は布団から出て、部屋の隅にあったスイッチを押す。         しかし電気は点かなかった… 「えっ…なんで…?」       祐樹は慌てて他の部屋を見て回った。 台所、リビング、風呂場、トイレなど家中を見て回ったがどこも電気が点かない。 停電していたのだった…         「そ、そんな…」 祐樹は真っ暗な部屋の中で絶望した。 嵐はより一層強くなっていた。
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