蝋燭

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「怖かったんだよ僕!」 祐樹は二人に話し掛ける。 恐る恐る二人に近づいた。 やはり大人が二人いるというだけで顔はわからなかった。 「今までどこに行ってたの?」 涙を拭きながら祐樹は尋ねる。         しかし二人は答えない。 ただ蝋燭を持って立っているだけだ。 まるで洋服屋に置いてあるマネキンみたいだ。         「お父さん?お母さん?」 祐樹は少し警戒している。 二人の正体がいまいちよくわからない。 もしかしたらこの二人はお父さんとお母さんじゃない? だとしたらこの二人は…           祐樹は再び恐怖に煽られた。 その時、蝋燭を持った大人が一歩祐樹に近づいた。 祐樹は身構える。         その大人は蝋燭を祐樹に手渡した。         「えっ?」         半信半疑のまま祐樹は蝋燭を受け取った。
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