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一番始めに目についたのは、やはり学校の外形を撮った写真だった。
パンフレットの『明時学園』の校舎は、何処にでもある普通の高等学校のそれだった。
しかし、これは明らかに違う。
「何これ。何処から撮ってんの?」
それは、海の真ん中に浮かぶ島だった。
埋め立て地であろうそのきっちりとした正方形の中央に、城のような建物がそびえている。
その建物の回りには、ちょっとした街のようなものが形成されていた。
それが、本当の『明時学園』。
胸の疼きが大きくなった。
これかもしれない。
この瞬間、紫苑は『明時学園』に強く強く惹かれていた。
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