悩める少年① 反町紫苑の場合

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一番始めに目についたのは、やはり学校の外形を撮った写真だった。 パンフレットの『明時学園』の校舎は、何処にでもある普通の高等学校のそれだった。 しかし、これは明らかに違う。 「何これ。何処から撮ってんの?」 それは、海の真ん中に浮かぶ島だった。 埋め立て地であろうそのきっちりとした正方形の中央に、城のような建物がそびえている。 その建物の回りには、ちょっとした街のようなものが形成されていた。 それが、本当の『明時学園』。 胸の疼きが大きくなった。 これかもしれない。 この瞬間、紫苑は『明時学園』に強く強く惹かれていた。  
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