悩める少年① 反町紫苑の場合

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††† 「ホームページを見てくれたんだね」 目の前に座る灰王空が、フフッと笑ってストローの袋をピリッと破いた。 「は、はい」 紫苑は控え目に頷くと、ポテトを一つ摘まんで口の中に放った。 彼は、そう言う風に軽く笑うのが癖のようだ。 その度に、鳩尾付近がヒヤリとするので、出来ることなら止めて欲しいのだが。 しかし、そんなことを言える立場ではない。 (空の威圧感によって)半ば押し込められるように店の中に入った紫苑は、「何か注文しない?」と朗らかに言われ、ポテトを頼む羽目になった。 因みに空が頼んだのはシェイクのストロベリー味だ。 その意外性に驚きつつも、紫苑はまだまだ警戒心を解けない。 空がストローを差して、シェイクを飲み始める。 その一連の動作を眺めていると、空がストローから口を離し、こちらを見てきた。 「あはは、そんな怖い顔をしなくても。僕は君を今すぐ取って食おうとはしていないよ」 「あ、え、すみません」 何故か謝る格好になった紫苑を尻目に、空は、でもまぁ、と言葉を紡いだ。 「それが普通の反応なのかな。だって僕たち、さっき会ったばかりなんだもんね?僕の周りは今のところ、変人しか居ないから、ちょっと感覚が変になっていたよ。そうだね、紫苑君。君の反応は普通だ」 さっき会った人、だけならここまで怯えない、と紫苑が思っていると、空は突然楽しそうに喋り始めた。  
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