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それから、酒口はやけ酒とばかりに次々と酒を飲み干し、早々に潰れてしまった。
また、有実も酒口に付き合いつつ酒出に飲まされ、こちらもカウンターに突っ伏した。
ホロ酔いの松本は幸せそうな顔で、酒出の飲む酒を作りながら恋女房を気取っていた。
だが、酒出は色っぽい展開を回避する。
「これで捜査本部は、また松島 美和を中心に捜査していくだろうな」
「そうですね……」
松本は、頬を膨らませつつ返事した。
妻子ある酒出に恋心を抱くのは、警察官としても一般社会に於いても、決して許される事ではない。
だが乙女心としては、せめて一時でもと淡い気持ちを抱くが、それをはぐらかされたのだ。
頬を膨らませるくらいしか、抵抗する術が無いのだ。
「しかし、本当に松島 美和だけなのか?」
「警部補、それは?」
「これだけ、色々と仕出かしてきた男だぞ。他に何か出てきても、不思議じゃないだろ」
「それはそうですが実際に、動機がありそうな人物を絞り込むだけで一苦労です。他になど……」
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