第三章 殺害動機

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   メールは野口の生家にて、女性のものと思われる死体が発見されたといった内容で、酒出に大至急連絡が取りたいと書いてある。  前回の事件から、酒出は警察関係からの連絡に対し、自分の携帯に入った連絡は無視をする。  よって、連絡は酒口に送られる。 「これって、緊急連絡だよな……」 「おぅ、どうしたヒヨコ。随分と慌ててるが、何か事件が進展したって連絡でも入ったか?」 「その通りですよ。これ、見てください」  酒口は、酒出に携帯を差し出した。  そして、そのメールを見た酒出は顔色ひとつ変えず、その事実を予想していたように鼻を一度鳴らした。 「酒出さん、行きますか?」 「あぁ、行こう。お前の彼女を送ってからだな、菊乃ちゃんを起こしてやれ」 「有実を送って?」  緊急事態の筈なのに、有実を送ってから向かうと言う酒出の言葉の意味が分からず、悩みながらも松本を揺り起こした。
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