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酒出の合図で酒口や松元も着席をし、事件関係者の富永が同席した状態で、捜査会議が始まりそうな雰囲気となる。
酒出は、そんな事など気にも止めずに語り出す。
「今回の事件のガイシャは、野口 久司ってケチな料理評論家だ」
「酒出警部補。余計な事は、言わないで下さい」
柿崎が、釘を刺すが酒出は気にしていない。
「そんなケチな男が、大事な弟とその彼女を間接的に殺したって事で、兄さんが恨んでるだろうと容疑をかけた訳だ」
「そうです、証拠も無いのに容疑者扱いでしたよ」
富永は、思い出したように怒りを露にする。
酒出はそれに同情するように頷いて、柿崎の方に視線を送って軽く睨んだ。
「まったく酷い話しだ。アリバイがある人間を捕まえて、犯人扱いだなんてな」
「酒出警部補、犯人扱いなどしてません」
「まぁ、ホシの目星がついたんだ。兄さんには捜査協力してもらって、事件の早期解決をしようじゃねぇか」
「そういう事だったんですか？」
「あぁ、協力してくれるか？」
「えぇ、勿論です」
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