新たなる物語

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朝、アルスは目を覚まし、時間を見ると、学園に行くまでまだ余裕があった。 1階に下りると、リビングにサリアの姿はなかった。 『毛布もないから、夜中に部屋に戻ったのかな』 朝は眠気を覚ますために、毎日コーヒーを飲む。これがアルスの日課なのだが、コーヒー嫌いのサリアやリサからは、やたらと批判を受ける。 唯一認めてくれるのは、コーヒーの飲めるリーシャだけだ。 『ふう、朝はこれだよね』 コーヒーを飲んで眠気を払っていると、サリアが眠そうに目をこすりながら起きてきた。 が、夜にソファーで寝ていたままの格好だ。そのままアルスの向かいのソファーに座り、大きく伸びをした。 『おはよう、アルス』 『おはよう』 サリアの目覚まし法は、伸びをする事。つまり、今はもうサリアに眠気はない。 そしてアルスがコーヒーを飲んでいる事に気付き、またいつも通りに文句を言う。だがこれも、今のアルスにとっては既に慣れた光景なのだ。 『そういえば、私ソファーに寝てたんだけど、アルス私に毛布かけてくれた?』 『うん』 『やっぱり。ありがとうね』
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