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『よう、アルス!』
自席に着いたアルスに真っ先に挨拶をしたこの青年は、カイル・シエリア。
1年半前、アルスが記憶を求めてカムリアにやって来た時に出会って以来の親友で、よく2人でいろいろ計画したりする。
『おはよう、カイル』
授業の前にHRがあるが、そのHRまでも少し時間がある。カイルとは隣同士なので、いつもHR前にも話す。
『何かよ、よくわかんねぇけど、今日の授業はいつもと違う事やるらしいぜ』
『違う事?』
突然カイルが切り出した。アルスはいつもと違うという意味がわからなかったが、カイルもそれ以上は知らなそうだ。
普段は講義や魔法の練習で終わるのだが、「いつもと違う」授業に、アルスもカイルも期待している様子だ。
『みんな、おはよう!』
教室の扉が開くと同時にアルスたちの担任、クレア・ラザリオ先生が入ってきた。
クレア先生は相変わらずよく通る声をしていて、少しは残る眠気を一気に覚ましてくれる。
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