第一章~どこもかしこも~

4/11
前へ
/205ページ
次へ
「ん…、霊夢朝からうるさいぞ~」 霊夢の準備が終わる頃、目をこすりながら眠そうに現れたのは、幻想卿でも数少ない鬼の少女、伊吹萃香。 「あ、ちょうどいいところに。萃香も手伝ってよ、落書き落とし。幸い水ですぐ落ちるみたいだからこの絵の具」 霊夢はバケツを萃香に渡す。 「んえ?落書きって何……うわぁ、何これ」 ようやく辺りの状況が飲み込めた萃香は驚きの声をあげる。 「朝起きたらこんな感じだったのよ。萃香は何か気付かなかった?」 「何にも」 「…まあ、そうよね。昨日は夜遅くまで飲んでたし。とりあえず始めましょ」 とはいえ、落書き落としと言っても単純に水を撒くだけである。 「なあ霊夢、水ですぐ落ちるんだったら、雨降るまで待てばいいんじゃない?」 「そういう訳にも行かないのよ、神様の手前」image=329911285.jpg
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

130人が本棚に入れています
本棚に追加